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2012/06/07

任天堂Wii Uの出願特許からハード仕様を推測してみる

最近公開されたWii U関連の出願特許(特開2012-096005)から任天堂が公表していないハード仕様などについてヒントになりそうな部分を抜き出して推測してみました。

なお、特許は請求範囲を広くするために実際には採用していない技術や方法までも含めて記載するのが常套手段であり、図についても一般的な形態に置き換えている場合もあるため、出願特許に記載されている事項全てがWii Uに当てはまるという訳ではなく、あくまで記載されている事項からの推測(妄想)という程度なので、大きく外している可能性もあります。

【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記ゲーム装置は、前記第1ゲーム画像を逐次圧縮して圧縮画像データを生成するゲーム画像圧縮部をさらに備え、前記ゲーム画像送信部は、前記圧縮画像データを前記可搬型表示装置へ無線で逐次送信し、前記ゲーム画像受信部は、前記ゲーム装置から前記圧縮画像データを逐次受信し、前記可搬型表示装置は、前記圧縮画像データを逐次伸張して前記第1ゲーム画像を得るゲーム画像伸張部をさらに備え、前記表示部は、伸張によって得られた前記第1ゲーム画像を逐次表示する、請求項1に記載のゲームシステム。

まず、Wii U本体とGame Padの映像送信方式について、岩田社長が表示遅延がないと発言していることから、遅延が1ms以下のWirelessHDやWHDIもしくはそれに近い非圧縮絵像無線送信技術が使われているのではないかと勝手に思い込んでいましたが、実は圧縮して送信するという方法を採っているようです。

【課題を解決するための手段】
【0010】
また、上記(1)の構成によれば、ゲーム処理についてはゲーム装置側で実行すればよい。ゲーム処理が複雑になっても、ゲーム装置側の処理が増加するだけで、可搬型表示装置での処理量にはほとんど影響しないので、仮に複雑なゲーム処理を要する場合であっても、可搬型表示装置側の処理負荷を所定の範囲に抑えることができ、可搬型表示装置には高い情報処理能力が要求されない。そのため、可搬型表示装置の小型化・軽量化が容易になり、製造も容易になる。

ゲームなどCPUパワーを必要とするような処理についてはGame Pad側では行わず、すべて本体側で行うようになっているようです。Game Padの構成がシンプルですむため小型・軽量化、コストダウンが図られるとのこと。

【0012】
上記(2)の構成によれば、第1ゲーム画像は、圧縮されてゲーム装置から可搬型表示装置へ送信されるので、ゲーム画像を高速に無線送信することができ、ゲーム処理が行われてからゲーム画像が表示されるまでの遅延を少なくすることができる

Game Padに表示する映像については、圧縮することでデータ量が小さくなるため短時間で無線送信することができ、遅延を少なくすることが可能との記述。

【0038】
(12)
表示装置は、カメラと、カメラ画像圧縮部とをさらに備えていてもよい。カメラ画像圧縮部は、カメラが撮像したカメラ画像を圧縮して圧縮撮像データを生成する。このとき、操作データ送信部は、圧縮撮像データをゲーム装置へ無線でさらに送信する
【0039】
上記(12)の構成によれば、表示装置のカメラで撮像されたカメラ画像がゲーム装置へ送信される。したがって、ゲーム装置は、カメラ画像をゲーム画像に用いたり、カメラ画像に画像認識処理を行った結果をゲーム入力として用いたりすることができる。また、上記(12)の構成によれば、カメラ画像は圧縮して送信されるので、カメラ画像を高速に無線送信することができる

Game Padに搭載されているカメラやマイクの映像音声についても圧縮して本体に無線送信するようです。

【発明を実施するための形態】
【0060】
[2.ゲーム装置3の内部構成]
次に、図2を参照して、ゲーム装置3の内部構成について説明する。Wiiu_01

図2は、ゲーム装置3の内部構成を示すブロック図である。ゲーム装置3は、CPU(Central Processing Unit)10、システムLSI11、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV-IC15等を有する。
【0062】
システムLSI11には、入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)11a、GPU(Graphics Processor Unit)11b、DSP(Digital Signal Processor)11c、VRAM(Video RAM)11d、および内部メインメモリ11eが設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素11a~11eは内部バスによって互いに接続される

ブロック図からすると、GPUとI/Oプロセッサ、音声データ処理用DSP、VRAM、内部メインメモリは1つのパッケージに収めたSiPになっていると思われます。

【0070】
また、ゲーム装置3は、端末装置7との間で画像や音声等のデータを送受信することが可能である。入出力プロセッサ11aは、端末装置7へゲーム画像(端末用ゲーム画像)を送信する場合、GPU11bが生成したゲーム画像のデータをコーデックLSI27へ出力する。コーデックLSI27は、入出力プロセッサ11aからの画像データに対して所定の圧縮処理を行う。端末通信モジュール28は、端末装置7との間で無線通信を行う。したがって、コーデックLSI27によって圧縮された画像データは、端末通信モジュール28によってアンテナ29を介して端末装置7へ送信される。なお、本実施形態では、ゲーム装置3から端末装置7へ送信される画像データはゲームに用いるものであり、ゲームにおいては表示される画像に遅延が生じるとゲームの操作性に悪影響が出る。そのため、ゲーム装置3から端末装置7への画像データの送信に関しては、できるだけ遅延が生じないようにすることが好ましい。したがって、本実施形態では、コーデックLSI27は、例えばH.264規格といった高効率の圧縮技術を用いて画像データを圧縮する。なお、それ以外の圧縮技術を用いてもよいし、通信速度が十分である場合には無圧縮で画像データを送信する構成であってもよい。また、端末通信モジュール28は、例えばWi-Fiの認証を受けた通信モジュールであり、例えばIEEE802.11n規格で採用されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術を用いて端末装置7との間の無線通信を高速に行うようにしてもよいし、他の通信方式を用いてもよい。

この記述から、本体とGame Pad間の映像音声の圧縮方式はH.264を使用、圧縮には専用のコーデックLSIを用い、無線方式はIEEE802.11nではないかと推測。

また、本体のネットワーク通信モジュール(2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/n)とは別にWiiリモコン用の通信モジュール(bluetooth)とGame Pad用通信モジュールが記載されています。
本体とGame Padには安定した無線通信が必要なことより、本体とGame Padの無線通信は本体ネットワーク通信が使う2.4GHz帯ではなく、それとは干渉しない5GHz帯のIEEE802.11a/nが使われているのではないかと妄想してみました。
実際にはコストの面から通信モジュールは3つも載ってなくて、IEEE802.11b/g/a/nとbluetoothに対応した単一モジュールとしての実装だとは思いますが。

【0104】
[4.端末装置7の構成]
【0107】
図8の(a)図に示すように、端末装置7は、操作手段として、LCD51の画面上にタッチパネル52を有する。本実施形態では、タッチパネル52は抵抗膜方式のタッチパネルである
(後略)

タッチパネルは抵抗皮膜式の可能性が高そうですが、任天堂はホシデンと光学式タッチパネルの共同開発もしているようで探したら関連特許も出てくるので光学式という可能性も。

【0123】
次に、図10を参照して、端末装置7の内部構成について説明する。図10は、端末装置7の内部構成を示すブロック図である。Wiiu_02

GamePadのブロック図です。処理のほとんどを本体側で行うためか、多くの入出力デバイスが搭載されている割にはシンプルな構成になっています。

【0131】
コーデックLSI66は、ゲーム装置3へ送信するデータに対する圧縮処理、および、ゲーム装置3から送信されたデータに対する伸張処理を行う回路である。コーデックLSI66には、LCD51、カメラ56、サウンドIC68、無線モジュール70、フラッシュメモリ73、および赤外線通信モジュール72が接続される。また、コーデックLSI66はCPU77と内部メモリ78を含む。端末装置7はゲーム処理自体を行なわない構成であるが、端末装置7の管理や通信のための最小限のプログラムを実行する必要がある。電源投入時にフラッシュメモリ73に格納されたプログラムを内部メモリ78に読み出してCPU77が実行することで、端末装置7が起動する。また、内部メモリ78の一部の領域はLCD51のためのVRAMとして使用される。
【0134】
コーデックLSI66は、カメラ56からの画像データ、マイク69からの音声データ、および、UIコントローラ65からの操作データを、端末操作データとして無線モジュール70を介してゲーム装置3へ送信する。本実施形態では、コーデックLSI66は、画像データおよび音声データに対して、コーデックLSI27と同様の圧縮処理を行う。上記端末操作データ、ならびに、圧縮された画像データおよび音声データは、送信データとして無線モジュール70に出力される。無線モジュール70にはアンテナ71が接続されており、無線モジュール70はアンテナ71を介してゲーム装置3へ上記送信データを送信する。無線モジュール70は、ゲーム装置3の端末通信モジュール28と同様の機能を有している。すなわち、無線モジュール70は、例えばIEEE802.11nの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。送信されるデータは必要に応じて暗号化されていてもよいし、されていなくともよい。

GamePadには送受信データの圧縮伸張処理を行う専用LSIがあり、CPUやVRAMにもなる内部メモリも内蔵している模様。
受け取った圧縮データをLSI内で展開して表示というのも遅延を極力抑えるための工夫なのでしょうか。

【0268】
(複数の端末装置を有する変形例)
上記実施形態においては、ゲームシステム1は端末装置を1つのみ有する構成であったが、ゲームシステム1は複数の端末装置を有する構成であってもよい。すなわち、ゲーム装置3は、複数の端末装置とそれぞれ無線通信可能であり、ゲーム画像のデータとゲーム音声のデータと制御データとを各端末装置へ送信し、操作データとカメラ画像データとマイク音データとを各端末装置から受信するものであってもよい。なお、ゲーム装置3は、複数の端末装置のそれぞれと無線通信を行うが、このとき、ゲーム装置3は、各端末装置との無線通信を時分割で行ってもよいし、周波数帯域を分割して行ってもよい

Game Padを複数台(2台)接続する際は、無線通信を時分割もしくは周波数帯域分割して利用するようです。
2台接続時にフレームレートが半分の30フレームになるというのも、コーデックLSIの処理や通信帯域の事を考えるとまあ納得。

なお、CPUのコア数だとかGame Padの画面解像度だとかについて推測出来るような記述はありませんでした。

これだけ書いときながら本体とGame Padの映像は非圧縮無線送信だったりするとそれはそれで面白いけど、枯れた技術の水平思考という思想を貫く任天堂のことなので高コストでまだ一般的でもないWHDIなどは採用しないんじゃないかなぁと思います。

あと本体とGamePadでやりとりされる送受信データの構成だとか流れだとかも説明されているので興味がある人は検索して読んでみることをお勧めします。

Wiiu_03


Wiiu_04

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コメント

CCITTの表記に、11aがないそうなので、2.4Gの可能性の方が高そうな気がします。

私は、多分目新しい事は何も無く、無難な製品が出てくると思います
\19,800もあり得るのではないかと思っています。

圧縮した映像を無線LANで送るってことは、通信障害等を考慮すると、ある程度バッファーをとらないといけないと思うし、どうしても遅延が発生すると思うんですけどどうなんでしょうね


ttp://www.pcper.com/news/General-Tech/AFDS-2012-AMD-Wireless-Display-compete-against-Intel-WiDi-open-standards

これに近い技術ですかね?
見当違いだったらすんません…。

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